2026年8月23日
遺品整理で最初にやるのは、捨てることではなく「残す物」を分けることです。特に遺言書は、封がしてあれば開けてはいけません。家庭裁判所の外で開けると、5万円以下の過料の対象になります。
泉南市でご依頼いただいた現場では、5名で8時間、2トントラック3台分の荷物を運び出しました。その仕分けの途中で、ご家族が見落としていた写真や通帳、印鑑が出てきています。探していたわけではない物ほど、処分の山に紛れる。

この記事では、処分を始める前に分けておく物を、法律の決まりと合わせて順に書きます。
いちばん扱いを間違えやすいのが、遺言書です。
民法は、遺言書を預かっていた人や見つけた相続人に、亡くなったことを知ったら遅れずに家庭裁判所へ出して「検認」を受けるよう定めています(民法1004条)。封がしてある遺言書は、家庭裁判所で相続人の立ち会いのもとでしか開けられません。自宅で開けた場合や、検認を受けずに中身どおり手続きを進めた場合は、5万円以下の過料です(民法1005条)。
見つけたら、封筒のまま、ほかの書類と分けて保管してください。中身が気になっても、ここは待つところ。

検認がいらない遺言書もあります。公証役場で作る公正証書遺言と、法務局に預けてある自筆の遺言書です。
家の中に見当たらないからといって、遺言書が無いとは限りません。平成元年以降に作られた公正証書遺言は、亡くなった後に全国どこの公証役場でも、あるかどうかを調べてもらえます。法務局に預けてある遺言書は、相続人が「遺言書保管事実証明書」を請求すれば、預けてあるかどうかが分かります。探し物が見つからないときは、家の外にも問い合わせ先がある。これは覚えておいて損がありません。
次の書類は、どれも相続や解約の手続きで求められます。期限があるものは、表に書き添えました。
| 残す書類 | 何に使うか | 期限の目安 |
|---|---|---|
| 預金通帳・キャッシュカード・証券会社の書類 | 口座の解約や名義変更。使っていない口座にも残高があることがある | - |
| 生命保険の証券 | 保険金の請求 | 請求できる時から3年で時効(保険法95条) |
| 権利証・登記識別情報・固定資産税の納税通知書 | 不動産の相続登記 | 取得を知った日から3年以内。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料 |
| 確定申告書の控え・医療費の領収書 | 亡くなった年の所得の申告(準確定申告) | 相続を知った日の翌日から4か月以内 |
| 年金手帳・基礎年金番号通知書・健康保険証 | 年金の停止や保険の資格喪失の手続き | - |
| 契約書・請求書・郵便物(1年分ほど) | 携帯電話、クレジットカード、サブスク、ローンなど、何と契約していたかを知る手がかり | - |

保険証券は、見つからなくても諦めなくて大丈夫。保険会社からの郵便物や、通帳の引き落とし履歴から契約先が分かることがあります。ネット銀行やネット証券は紙の書類が届かないので、スマートフォンのアプリやメールが手がかりになります。
書類ほど決まりはありませんが、処分してから困る物です。

現金、貴金属、時計、骨董品。引き出しや衣類のポケットから現金が出てくるのは、珍しいことではありません。価値の分からない物は捨てずに、査定に回してください。
実印、銀行印、鍵。印鑑は相続の手続きで使います。どこの鍵か分からなくても、しばらく手元に置いておく。貸金庫の鍵のこともあります。
スマートフォンとパソコン。ネット口座や有料サービスの契約が、この中にしか残っていないことがあります。ロックが外せなくても、すぐには手放さないでください。
写真、手紙、日記。ご親族の間で、残したい人と処分したい人が分かれやすい物です。捨てる前に一度、全員に声をかけてください。
仏壇、位牌、神棚。そのまま処分するのに抵抗がある方は多いはず。架け橋では提携寺院でのお焚き上げによる合同供養に対応していて、ご希望があれば供養証明書もお出ししています。
ペットが残されているなら、鑑札やワクチンの証明書、かかりつけの動物病院の連絡先も要ります。賞状や免許、資格証は、手続きには使いませんが、故人の歩みが分かる資料です。

泉南市の現場を担当したスタッフも、思い出の品は押し入れや引き出しに眠ったまま捨てられてしまうことがある、と書き残しています。
借金があるかもしれない、という場合は特に注意が要ります。
民法では、相続人が遺産の全部または一部を処分すると、相続を認めた(単純承認した)ものとみなされます(民法921条)。そうなると、あとから相続放棄ができなくなるおそれがあります。
一方で、放棄するかどうかを決める前に遺産を調べることは、法律で認められています(民法915条2項)。通帳を探す、郵便物を読む、借入れの書類を確かめる。ここまでは「調べる」の範囲です。売る、捨てる、形見として持ち帰る、は避けてください。

相続放棄ができるのは、自分が相続人になったと知った時から3か月以内です。亡くなった日からではありません。申し立て先は、亡くなった方の最後の住所地を受け持つ家庭裁判所です。
判断がつかないときは、大きな処分の前に弁護士か司法書士へ相談してください。部屋の片付けは、それからでも間に合います。

残す物が決まれば、あとは処分するだけです。大阪市で粗大ごみとして出す場合の料金や、自分で持ち込むときの工場は、大阪市の粗大ごみの記事に区ごとの表でまとめています。
「運び出せない」「退去の期限が迫っている」「仕分けから任せたい」という場合は、私たちにご相談ください。遺品整理 架け橋は大阪市24区を中心に、大阪府全域で対応しています。まだ値の付くお品物は、その場で査定してお見積りから差し引きます。

現地でのお見積りは無料。お写真をLINEで送っていただければ、概算のご案内もできます。
無料お見積り・ご相談はこちら / お電話 0120-598-725(9:00〜19:00 年中無休)
泉南市の現場の様子は、お客様の声でご覧いただけます。
出典:民法915条・921条・1004条・1005条、保険法95条(e-Gov法令検索)、裁判所「遺言書の検認」「相続の放棄の申述」、法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」「自筆証書遺言書保管制度」、日本公証人連合会「遺言」、国税庁タックスアンサーNo.2022(いずれも2026年9月27日に確認)。法律の適用はご事情によって異なります。具体的な判断は弁護士・司法書士・税理士にご相談ください。
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